子らぼのめざすもの
About Kolabo

<子らぼ>は「子どもの育ちのためのアートらぼ」を略した愛称です。 共同代表は三ツ山一志と山﨑 優です。わたしたちは1989 年に開館した横浜美術館子どものアトリエの開館準備以来、退職まで30数年間勤めてきました。

三ツ山は大学で彫刻を学び、卒業後、幼稚園で造形指導を行ってきました。現在もライフワークとして保育現場にいます。 幼稚園で教えはじめのころはいろいろな描き方やつくりかたを子どもたちに教えることに美術家として手応えを感じていましたが、 その中で保育の現場は「子どもの自立心」を育てているのだということに気がつき、子どもたちの描きつくる活動も「自立心」の獲得が目的であるべきと考えるようになりました。 その経験を求められて子どものアトリエの責任者に就きました。
山﨑は大学で日本画を学び、卒業後に子どものアトリエ幼児担当に就きました。子どものアトリエで幼児を導きながら、 勤務の休日には幼稚園現場で子どもの指導に取り組んできました。現在は幼稚園現場での指導のほか、 幼児教育の指導者や学生に子どものやってみたくなる気持ちを引き出す環境設定や言葉掛けなどの保育現場を通した指導に取り組んでいます。

私たちが担当していた横浜美術館子どものアトリエは、幼児と児童を対象に、短くて半日、多くても3回連続の個人の造形講座の開催と、 また教育連携として学校に活動の場を提供する「学校のためのプログラム」などの運営を行う、訪れる子どもたちとは一期一会の出会いの場です。それは子どもが毎日通い、 生活を通して少しずつ経験を重ね、確かになっていくことを目的とした学校のような場ではありません。1回かぎりの出会いで訪れる子どもに何を手渡せるか、開館準備の期間に多くの教育関係者に意見をいただきました。 そのころ、教育で指導する美術教育の考えかたが変わりました。幼児教育では<絵画製作>が<表現>に領域が変わりました。表現とは描き方やつくり方の仕方だけではなく、 「自分でこうする」「自分はこうする」と決められる意志の獲得に目的があります。 そのような時代背景をうけて、子どものアトリエは「自分の目で見て」「自分の手で触れ」「自分でやってみる楽しさ」 をえのぐや紙やねんどなどの素材にかかわる身体的プログラムを通して体験してもらう場として活動してきました。

「教えればできるようになる」というのはおとなの偏った考え方です。「教えてもらいたい」と思っていない子どもには教えられないというのが実際です。 まして、したこともない子どもが「じょうずにできなきゃいけない」と思い込むのはかわいそうです。 子どもたちが出会うアートは子どものいっしょうけんめいしたことを「じょうず」「へた」と評価するのではなく、 いっしょうけんめいしたことをほめてあげて「自分でするのが楽しい」という心を育てることを優先するのが大切だと、私たちは子どものアトリエで学びました。 「こんどこんなことをしようか」という思いを<創造性>といいます。 創造性は「自分でするのが楽しい」という思いでつくられます。この精神を子どものアトリエを退いたのちも広く子どもの教育にあたる現場の指導者の方々と共有するべく、 情報を共有する場として「子どもの育ちのためのアートらぼ」<子らぼ>のHPを立ち上げました。掲載している情報など、みなさまの子どもの活動に活かせるものはご参考にしていただければ幸いです。

共同代表 三ツ山一志
えのぐはつけるものーということを体験する活動